分析基盤環境の分析とレポーティング

分析基盤環境の分析とレポーティング

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データの分析とレポーティングとは

データマイニングをするために必要な分析基盤環境を構築したら、収集、蓄積したデータについての分析とレポーティングという工程に入ることになります。分析とは、収集したデータから対象となるビジネスの運営に有効な知識を発見することを意味します。そしてレポーティングとは、分析結果を見える化させることです。今後、フリーランスでデータマイニングの仕事を行いたいと考えているならば、分析とレポーティング双方のスキルの重要性を理解しておく必要があります。

分析

分析は、構築された基盤環境を利用してデータを洗い出し、ビジネス上必要とされる知見を見つけ出す作業です。膨大な種類と量のデータから情報を引き出すには、「仮説検証型」と「知識発見型」の2つのアプローチ方法があります。このことは、実際のビジネスに当てはめて考えてみるととてもわかりやすくなります。
例えば、通信会社では新規顧客の獲得だけでなく、既存の顧客の継続利用を維持していくことがとても重要です。そんな中で、顧客が他社に切り替える流れが強くなった場合、これ以上の顧客の流出を防ぐために、なぜそうなったのかの原因を分析していく必要があります。この場合、既存の顧客が他社に移ってしまう原因をいくつか想定することができるので、仮説検証型の分析が可能になります。そこで、「売上が安定的にずっと良かった販売経路の業績がふるわなかったことが原因」と仮定するならば、それを立証できるかどうかという観点でデータを取り出して分析します。具体的に立てた仮説とデータが一致すれば、その仮説で正しいということになりますし、逆に証明できなければ新たな仮説に基づいて検証を続けます。
一方、知識発見型では、契約を継続している顧客と離れた顧客それぞれの属性や、サービスの利用状況などのデータを決定木分析を用いて解析していきます。そうすることによって、継続のグループと解約のグループに仮説を立てられないような法則や傾向などを発見することができます。

レポーティング

データマイニングにおいて、最も重要な部分とも言えるのがレポーティングです。レポーティングとは、データ分析をしている担当者が認識していることをビジネスの現場の人達が運用できる内容に整理して見える化させることです。これを行うことによって、ビジネスにおいて何を改善すべきかについて具体的に検討できるようになります。レポーティングでは、KPI(重要業績評価指標)を意思決定者と共有することが重要ですが、KPIの内容がビジネスの方向を動かす材料となるため、担当するデータサイエンティストの責任は決して軽くはありません。そのため、分析だけでなくレポーティングに関するスキルも重要な要素になります。

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求められる技術的視点とビジネス的視点

データマイニングという仕事は、その名称からもデータ分析の仕事がメインになると考えられがちですが、実際はデータ分析というのは基本的なことで、それをどのようにビジネスに活かしていくかの手腕が重要視される仕事でもあります。そのため、膨大なデータを分析した結果をビジネスに運用するために、技術的な視点とビジネス的な視点が重要な要素になります。この2つの視点にからデータマイニングについて考えると、全体的な仕事のイメージを明確にしやすくなります。

データとの向き合い方

好調なビジネスの勢いをさらに加速させたり、経営不振を改善に導いたりと、データマイニングをすることによって様々なビジネスに多くのメリットをもたらすことができますが、その活用方法を間違えてしまうと全くと言ってもいいほど無意味な作業になってしまう可能性があります。この記事では、レストランの分析データ活用の失敗例を仮定して、間違ったデータの活用方法と本来あるべき活用方法についてわかりやすく解説しています。

データ活用の実例

ビッグデータが活用され始めてから、早い段階でその方法をビジネスに取り入れて成功した事例はいくつもあります。データマイニングは、業種や業界に関係なく活用の余地があり、実際に様々な分野で有効活用されています。プロ野球球団がデータマイニングによって観客を大幅に増やしたり、天気予報サイトが顧客から集めたデータを活用してサービスを向上させたりしていますが、過去の実例を見ることによって今後のデータ分析のヒントを得ることもできます。